北海道でのもっと濃いエコツアーを追求して、自然の中で新しい遊び方を提供していきたい 〜「ゆっくりずむ北海道」宮川幸史さん

森の中を歩く宮川さん

ゆっくりずむ北海道

宮川幸史(みやかわ・ゆきちか)さん

 

―最近の活動についておしえてください

宮川 「キャンプに興味のある人が増えてきたかな」と感じています。そこで、日帰りでアウトドア空間をおしゃれに楽しむプログラムをメインに実施しています。

札幌市内の中央区に「ニムの森」という会員制の秘密の場所があり、ここでディキャンプのプログラムを提供しています。個人の所有地で10ヘクタールくらいの面積があります。この敷地内の自然を案内しながら散策して歩きます。川が流れていて、焚き火もでき、ツリーハウスもあります。ワインバーみたいなことをやったり、川にイスとテーブルを出して食事やドリンクを楽しみます。

今年2019年からスタートしました。夏も冬も内容を変えて実施します。トレッキングもこの森をベースに開催しています。

 

ゆっくりずむの川バー

 

―地方での活動は?

宮川 4月下旬に、何人かの共同プロジェクトで三笠市に宿泊できる畑の中のレストラン「EKARA(エカラ)」をオープンさせました。BARCOM札幌のシェフを派遣しています。そんなご縁で、三笠のプログラム開発もしています。三笠には桂沢湖があって、幾春別川が流れていて、森もある。また三笠には素敵なワイナリーもあります。そのワイナリーを軸に、ストーリー性のある炭鉱遺産や、ジオパークをつなげて1日楽しめるようなプログラムをつくっています。

細かな部分のツメをして今年、リリースしていきたいと考えています。このプログラムを日本観光振興協会・日本旅行業協会・日本政府観光局が主催する「ジャパン・ツーリズム・アワード」という賞があるのですが、それに応募したいと思っています。このアワードでは、2017・2018年の国内・訪日領域部門で2年連続 当社の「美味しく・楽しく・感じる・地域を繋ぐエコツアー」が入賞を果たしました。

 

―ツアー開発・ガイド以外の仕事も?

宮川 外部アドバイサーを頼まれる仕事も受けてやっています。現在は環境省が進めている国立公園を底上げするプロジェクトがあります。わたしは支笏湖をフィールドとして有識者として会議に参加して、現地のプログラムのアドバイスなどをしています。

エコツアーの要素を盛り込んだものにしたいという意向があるため、わたしに白羽の矢が立ちました。エコツーリズムに理解があり、現場のガイド経験もあり、インバウンド対応できるということで探していくと、あまりいないようなのです。ということで、最近はお声をかけていただくことも増えました。

 

バルコの店の外で宮川さん

―普段はどこにいるのですか?

宮川 札幌市の中央区北2条西2丁目にある地域を愉しむ北海道のBAR「BARCOM札幌」には、週に1〜2回出ていてカウンターでワインなどをサーブしています。接客はガイドの役にもたっています。

ツアーに出ていない時は、下見をしているか、あとは山の仕事などぷらぷらしていますね(笑)。

この週は、中米のコスタリカにツアーで行ってきます。毎年行っているのですが今回はお客さまは2人。12泊のネイチャーツアーです。参加者の嗜好にあわせて現地のアクティビティーを組み立てます。今回はツリーハウスを巡って泊まってきます。冬は、スノーシューツアーが人気があります。インバウンドの冬の撮影ツアーなどでは、道東をアテンドしたりしています。リクエストがあれば地方へも出かけてゆきます。

 

―ガイドにはどうして?

宮川 わたしの実家が石川県の金沢市でアウトドアショップをやっていました。父がアウトドア好きで、山のガイドをやったり海のダイバーをやったり。特にダイビングは、あの地域では第一人者でした。わたしは海はダメですけれど(笑)。

そんな環境で育ったこともあり、21歳の時にアメリカに留学しました。48州、ぐるぐる5周近くキャンプで回りました。その後、中米のスイスと呼ばれるコスタリカでエコツーリズムというものを知りました。知り合いが北海道がいいよ、ということで来て、以来インタープリターとして自然と人との通訳することを生業に、エコツアーを開催してきました。

 

―北海道には何年になりますか?

宮川 来て20年になります。エコツアーに関して言うと、ようやくというか、まだまだですが、伸びしろはあると感じています。自然体験文化というか、アウトドア・エデュケーションというものが、これまで日本にはあまりなかったと思うのです。

しかし、最近、たくさんの外国人旅行者が来るようになり、旅行者のニーズとして顕在化してきたように思います。日本では自然は「守る」という観点で力を入れてきました。それが、「どう活用するか」というものに変わってきたような気がしています。

 

ガイドの未来を語る宮川さん

―今後のアウトドアプログラムの未来は?

宮川 いままで日本に存在していなかった遊び方に注目しています。20年前のラフティングやキャニオニングのようなものです。今は当たり前のプログラムになりましたが、最初は「だれが川をボートで遊ぶんだ」と。これからもまだまだ未知なるものが入ってくると思います。

最近ならSUPがそうですね。あっという間にあちこちに広まりました。こういったものにどう対応するか。この前聞いたものに「ドライキャニオニング」というものがありました。水がない渓谷をロープワークで谷底に下りて遊ぶ。渓谷を上下に移動しながらのプログラム。いろいろとあると思います。

 

―課題はどんなことがありますか?

宮川 若い世代の育成があります。わたしたちがアウトドアガイドを始めた20年前って、この仕事だけではなかなか食べていけなかった時代でした。夏はいけるけど、冬はどうする?と。でも今は状況がだいぶ変わりました。シーズンを通じてガイド業だけでやっていける人が増えてきました。仕事としてネイチャーガイドという選択肢も出てきました。

しかしその一方で「いくらお金をもらえるのですか?」というスタートになっている人もいる。この仕事がやりたいというのではなくて楽だから、という判断で来る人もでてきた。人材不足ではありますが、何のためにこの仕事をしているのか、といった基本的な部分を教えていく必要があると考えています。

人を育て、世代交代していくこと。ぼくらのノウハウやスキルといったものを伝えていける環境を整備していく。そのためにも、現在のツアーももっと濃いものにしていくことが、次なる役割かと思っています。

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